探偵は資格がなくてもなれる
探偵事務所では、浮気調査、素行調査、人探しに始まり、企業信用調査や盗聴器などの捜索、そして最近では探偵がいじめやセクハラの調査も行っています。ところで、探偵事務所で働く探偵には資格が必要なのでしょうか。答えはNOです。探偵には、医師や弁護士、司法書士、行政書士といったような国家資格は必要ありません。学歴も問われないので、極端なところ、誰でも資格ゼロでプロの探偵になることができます。
しかし、実際の仕事の場面では、尾行調査や張り込み調査などの専門的な調査技術が必要になります。そのため、元刑事や現役の弁護士が経営するといった調査技術を持った探偵や、現場経験の無い人が探偵事務所を経営したり。一方、大手事務所で現場経験を数多く持った方が独立して探偵事務所を開業するケースが多くなっています。尾行調査や張り込み調査などは必須スキルになりますし、ターゲットに気づかれないテクニック、調査したことや発生した出来事を文書などで正確に記録できる技術など、事業主が探偵に仕事を通して指導していくことになります。
探偵には、いたずらに依頼主の情報を漏らさない守秘義務がありますし、人としての倫理観やモラル、また、忍耐力や体力、協調性も要求されます。国家資格は不要でありながらも、このように求められるスキルは高いものがあります。探偵になりたい場合、探偵事務所に勤務しながら現場経験を積んで調査技術を習得していくのが一つの方法です。そして、もう一つは学校に入って調査技術や心理学を学ぶ方法もあります。
日本調査業協会が発布する筆記試験があったり、認定する学校を卒業することで、適正調査士の資格が取得できます。(あくまでも、私文書では有りますが)探偵という職業には、怪しいとか怖い、騙されそうというイメージを持っている方もいます。そのような負のイメージを払拭し、適正な探偵業務を行う証明として適正調査士の資格ができました。必須の資格ではありませんが、適性調査士の資格を取得することで、安心して依頼できる探偵であることをアピールすることができます。
探偵にとって最も重要な条件は忍耐力です。個人的な基礎能力にもよりますが、一人前の調査員になるまでには2~3年くらいはかかります。調査員の業務は昼夜を問わず休暇もままならない時もあり、非常に過酷な労働力を必要とします。現場で活躍している調査員は、みな忍耐力に優れています。忍耐力のある優秀な調査員は、長時間に及ぶ調査でも バレずに続けられます。ただ、人間の行動は概ね定義の様なものが有りそうですが、何十年何百件の調査を経験したものであれども、完璧に行動を読み取ることは出来ません。ある程度の想像力は当然必要ですが、出来る限り思考をフラットにして、色んな行動パターンにでも対応する様にしなければ、「まじか!」って云う場面に必ず遭遇するのです。つまり、どれだけ経験豊富な調査員であれども、日々勉強であり、決して万能では有り得ないのです。
危ない探偵事務所には用心する
この業界は、2007年に探偵業務の適正化に関する法律が施行され、業務の改善がなされてきました。その背景には、事務所とクライアントとの間にはさまざまなトラブルが続いてきたことがあります。その法律が施行されてから、探偵業を営むためには探偵業届出証明書が必要になりました。悪質な業者は、この届出を行政に出さずに営業を行っているところもあります。HP上で確認をすることができますので、届出番号が記載されていない業者は探偵事務所を運営する資格に欠けることになります。
また、事務所とクライアントの間でよくトラブルになるのが料金です。料金は依頼内容や期間、調査員の人数などによって大きく違ってきます。調査を依頼するときには、明確な契約書を作ることです。成功とみなす基準や期間、調査員の人数、総額、追加料金、キャンセル料といった詳細を明確にしておくことです。事務所の多くは、無料で見積もりを作ってくれますので、数社に簡単な見積もりを作ってもらい比較するのも良いと思います。ある程度の費用を知りたいときには事務所のHPでも知ることができますが、いかんせん料金表は我々が見ても良く分からない探偵業者が大多数ですので、電話や面談の時にその辺りはシッカリと確認する様にしましょう。もっと云うと探偵事務所に行く時には、録音しておくくらいのことをしても、良いくらいです。昨今の探偵事務所では嘘はつかないでしょうが、数字のマジックにかかる可能性はあります。その場ではそう思っていても解釈の相違と云うことも考えておきましょう。探偵を雇うのは、人生の分岐点になるやも知れないほどの出来事が起こった場合だけですので、料金も相応に発生します。後でする喧嘩は先にしておきましょう。
料金のトラブルでは成功報酬に関するものもあります。事務所へ払う料金のシステムは、前金制と後払いの2つに分けることができます。この後払いが成功報酬になるのですが、何を持って成功とするのか、事務所とクライアントとの間で認識があいまいなことがあります。成功とする証拠を明確にして料金を決めることが大切になります。調査を依頼するときに一番不安なのはやはり料金なので、契約書に基づいて判断していくことが大切です。
その他に、調査を依頼するときに注意する点が3つあります。一つは、会社の存在が明確であるか確認することです。事務所を構えず、トラブルが起きたら行方をくらます可能性も考えられます。事務所を持っているかどうかという点は、信用できる会社かどうかの判断材料になります。2つ目は、専門の担当者がいることです。調査を依頼したときには、途中経過や連絡、結果の報告など、専門の担当者と連絡して行います。担当者がコロコロと変わる事務所は用心して下さい。3つ目は、固定電話がなかったり、成功率や格安の料金を強調しているところも用心が必要です。
地域密着の地元に強い探偵事務所を選ぶ
事務所を選ぶ際には、HPを見ると業務内容や料金など、およその状況を把握することはできます。全国対応をしているような大手の事務所は、HPの作成やメール対応などに高い広告料や人件費をかけています。当然、それらの経費は調査費に計上されるわけで、大手の事務所が割高になる所以です。ただ、料金の高さと、調査員の力量や会社の信頼性とは、まったく別物です。事務所を選ぶ際に、ぜひ参考にしていただきたいことは、地域に密着した地元に強いところを選ぶことです。
全国にはたくさんの事務所がありますが、地方を中心に活動しているところや、東京の足立区・池袋など都内を中心に活動しているところなど地域に密着した事務所があります。依頼内容や依頼者の状況によっては、全国対応の事務所より、地元に強いところの方が良いことがあります。例えば、ターゲットの行動範囲が限られている場合、地域の地理状況や特性をよく把握している方が、確実かつ迅速に調査することができます。地域に慣れないところであれば、ターゲットを見失ってしまう状況でも、地元に強い事務所であれば確実に証拠をつかむことができます。
このようにターゲットの行動範囲など、ある程度の情報があると調査もしやすくなります。ターゲットにはバレないようにしながら、ターゲットの生活パターンや、出張、旅行などの予定を事前に把握するなどの準備が必要です。準備の結果、行動範囲が絞れるなら地元に強い事務所を探してみましょう。また、探偵事務所は弁護士事務所との協力が必要になる場面が多くあります。そのため、弁護士事務所との提携がうまくできているところは、さまざまな調査に対応できるノウハウを備えていることになります。探偵に資格は必要ありませんが、人情味のあるクライアントに優しい事務所を選ぶようにするといいでしょう。
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